NOUVELLE ERE [食べ物]
気がつけば、ブログを書かなくなってはや2ヶ月…。
フランスに10日ほど行っていたり、新学期が始まったりでばたばたしているうちにもう11月も中旬だなんて、早いものです(しみじみ)。
途中になっているおととし(!)の親子旅にそ知らぬ顔で復帰するか、10月に新たに行ったフランスのことを書くか、いやいやこのままフェイドアウトしてしまうか…とこのブログの行く末をいろいろ考え(は)していたのですが、やはり、どうしても抜かしてはいけないことが東京で起きたので、今回はそれについて書くことにします。
ちょうど2ヶ月前、久々に本業で忙しくしていた折、なんともエレガントなお誘いがありました。
日本版ミシュランに載ったフレンチレストランに行かないかと最近よくお世話になっているワインの師匠に誘ってもらったのです。
Nouvelle Ere
http://www.augoutdujour-group.com/no/index.html
お店のホームページからして、ただならぬ気配がしたので、黒ワンピに黒エナメルのヒールと、ふだんの私からするとかなーりエレガントな装いで新丸ビルへ向かったのですが、意外や意外(?)、新丸ビル(実はこちらも初めて)は拍子抜けするほどカジュアルじゃないですか。これは外したと思ったのですが、そんなことはありませんでした。「本日は予約で満席」というプレートの脇のNouvelle Ereの黒い扉を開けると、そこには別世界があったのです。
新丸ビルの廊下が明るいので余計そう思ったのだと思いますが、お店に入ったときに、ちょっと暗すぎるんじゃないかと思ったのです。でも、奥まで入って暗い理由が分かりました。
壁が一面ガラス張りになっていて、夜景がすごくきれいなんです。都会的な高層ビルをバックにした赤レンガでレトロな東京駅(電車の発着も見えます)がそれはもう絶妙にロマンチック。これを愉しまない手はありません。
お料理も、そんな素敵なお店にひけをとらない素敵さでした。
この日わたしはカメラを忘れたので、これは私の撮った写真ではありません。だからすごくキレイと申しましょうか…ははは。
前菜1。手長エビ、12種類のスパイスを調合して作ったクリーム添え。
前菜2。ガトーに見立てたフォアグラのフュメ、いちじくの香る滑らかなクリームチーズ。
お菓子をずっとやっていたというシェフならではの、きれいな盛り付け。フォアグラには見えません。
メイン。北海道、根室で仕留めた“エゾ鹿”フィレの低温調理。この日は仔鹿。
この仔鹿だけは私が写メした写真なので色がおかしいのですが、それぞれトリュフ、ベリー系(たぶんフランボワーズ)ソース、エゾ鹿の血で作ったソースがかかっていました。ちなみに真ん中の肌色の筒状のものは、たしかおいもだったと思います。
エゾ鹿はやっぱりどうしても獣臭があるものですよね?でも、このとき頂いたそれは、くさみが全くなかったのです。こんなにエレガントなジビエもあるのかとこのとき驚きました。
いや、なにせ、私は野性味あふれるジビエしか食べたことがないのです。思い起こせば2004年。今にして思えば、なぜその店にしたんだろうと思いますが、リヨンでジビエが得意という店に、ジビエ嫌いの母と叔母と一緒に行きました。まぁ得意とはいえ、普通のフレンチメニューにちょこっとジビエが多いくらいだろうと思っていたのですが、なんとそのお店、ジビエしかなかったのです。
鴨にした私は無事でしたが、さっぱりとしたものがいいと叔母が選んだうずらは、「そうだよね、うずらってこういう形してるよね」と生前のうずらの姿がすぐに連想できる、野性味あふれる形で調理されており、母が頼んだ豚にいたっては(ジビエは嫌だからと豚にしたのです)、皮の部分に油性マジックで書いた数字がついてました^^;。このときの経験から、実はジビエにはちょっと苦手意識があったのですが、この日をもって私のジビエ観が変わりました。ジビエ、ありです。
「今夜はエレガントなゆうべになりますよ」という師匠の言葉通りの素敵な夜でした。
と、料理ばかりを書いてきましたが、影の主役はコチラだったりして。
シャンパン2種、白・赤各1本、そして最後はソーテルヌ。
私はワインに疎いので、詳細に語れないのが歯がゆいのですが、とにかく「○○クリュ」とつかないワインは登場しないという豪華さ。私は特に赤が印象に残りました。ブルゴーニュ地方のワインだそうですが、喉ごし(?)はとても軽やかなのに、軽いワインにありがちなフレッシュなグレープ臭はしないんです。うまく言えませんが、むしろ、深い森に分け入ったときの、森の湿った感じがふっと脳裏に浮かぶような、そういう力強さもあるのです。初めて飲んだ味なのに、なぜだか懐かしい気持ちにもさせてくれて、それはそれは不思議な体験でした。
最後のデザート。林檎のクランブル・サレ。塩キャラメルとそのシブースト。
帰り道、ひとりしみじみ幸せをかみしめましたよ。いやー、おいしいものって素晴らしい。そしてこんな素敵な席をもうけてくれた師匠に感謝です^^
フランスに10日ほど行っていたり、新学期が始まったりでばたばたしているうちにもう11月も中旬だなんて、早いものです(しみじみ)。
途中になっているおととし(!)の親子旅にそ知らぬ顔で復帰するか、10月に新たに行ったフランスのことを書くか、いやいやこのままフェイドアウトしてしまうか…とこのブログの行く末をいろいろ考え(は)していたのですが、やはり、どうしても抜かしてはいけないことが東京で起きたので、今回はそれについて書くことにします。
ちょうど2ヶ月前、久々に本業で忙しくしていた折、なんともエレガントなお誘いがありました。
日本版ミシュランに載ったフレンチレストランに行かないかと最近よくお世話になっているワインの師匠に誘ってもらったのです。
Nouvelle Ere
http://www.augoutdujour-group.com/no/index.html
お店のホームページからして、ただならぬ気配がしたので、黒ワンピに黒エナメルのヒールと、ふだんの私からするとかなーりエレガントな装いで新丸ビルへ向かったのですが、意外や意外(?)、新丸ビル(実はこちらも初めて)は拍子抜けするほどカジュアルじゃないですか。これは外したと思ったのですが、そんなことはありませんでした。「本日は予約で満席」というプレートの脇のNouvelle Ereの黒い扉を開けると、そこには別世界があったのです。
新丸ビルの廊下が明るいので余計そう思ったのだと思いますが、お店に入ったときに、ちょっと暗すぎるんじゃないかと思ったのです。でも、奥まで入って暗い理由が分かりました。
壁が一面ガラス張りになっていて、夜景がすごくきれいなんです。都会的な高層ビルをバックにした赤レンガでレトロな東京駅(電車の発着も見えます)がそれはもう絶妙にロマンチック。これを愉しまない手はありません。
お料理も、そんな素敵なお店にひけをとらない素敵さでした。
この日わたしはカメラを忘れたので、これは私の撮った写真ではありません。だからすごくキレイと申しましょうか…ははは。
前菜1。手長エビ、12種類のスパイスを調合して作ったクリーム添え。
前菜2。ガトーに見立てたフォアグラのフュメ、いちじくの香る滑らかなクリームチーズ。
お菓子をずっとやっていたというシェフならではの、きれいな盛り付け。フォアグラには見えません。
メイン。北海道、根室で仕留めた“エゾ鹿”フィレの低温調理。この日は仔鹿。
この仔鹿だけは私が写メした写真なので色がおかしいのですが、それぞれトリュフ、ベリー系(たぶんフランボワーズ)ソース、エゾ鹿の血で作ったソースがかかっていました。ちなみに真ん中の肌色の筒状のものは、たしかおいもだったと思います。
エゾ鹿はやっぱりどうしても獣臭があるものですよね?でも、このとき頂いたそれは、くさみが全くなかったのです。こんなにエレガントなジビエもあるのかとこのとき驚きました。
いや、なにせ、私は野性味あふれるジビエしか食べたことがないのです。思い起こせば2004年。今にして思えば、なぜその店にしたんだろうと思いますが、リヨンでジビエが得意という店に、ジビエ嫌いの母と叔母と一緒に行きました。まぁ得意とはいえ、普通のフレンチメニューにちょこっとジビエが多いくらいだろうと思っていたのですが、なんとそのお店、ジビエしかなかったのです。
鴨にした私は無事でしたが、さっぱりとしたものがいいと叔母が選んだうずらは、「そうだよね、うずらってこういう形してるよね」と生前のうずらの姿がすぐに連想できる、野性味あふれる形で調理されており、母が頼んだ豚にいたっては(ジビエは嫌だからと豚にしたのです)、皮の部分に油性マジックで書いた数字がついてました^^;。このときの経験から、実はジビエにはちょっと苦手意識があったのですが、この日をもって私のジビエ観が変わりました。ジビエ、ありです。
「今夜はエレガントなゆうべになりますよ」という師匠の言葉通りの素敵な夜でした。
と、料理ばかりを書いてきましたが、影の主役はコチラだったりして。
シャンパン2種、白・赤各1本、そして最後はソーテルヌ。
私はワインに疎いので、詳細に語れないのが歯がゆいのですが、とにかく「○○クリュ」とつかないワインは登場しないという豪華さ。私は特に赤が印象に残りました。ブルゴーニュ地方のワインだそうですが、喉ごし(?)はとても軽やかなのに、軽いワインにありがちなフレッシュなグレープ臭はしないんです。うまく言えませんが、むしろ、深い森に分け入ったときの、森の湿った感じがふっと脳裏に浮かぶような、そういう力強さもあるのです。初めて飲んだ味なのに、なぜだか懐かしい気持ちにもさせてくれて、それはそれは不思議な体験でした。
最後のデザート。林檎のクランブル・サレ。塩キャラメルとそのシブースト。
帰り道、ひとりしみじみ幸せをかみしめましたよ。いやー、おいしいものって素晴らしい。そしてこんな素敵な席をもうけてくれた師匠に感謝です^^
私も数年前にパリの「タイユバン」に行ったときにはジビエを頼みました。ブルゴーニュのボルネイカイユレだったかな、を頼んで大いにマリアージュを堪能しましたよ。
by もりけん (2009-11-14 04:34)
ジビエとはなにかを調べてみました(。^ ^。)
ゲームミートのこと、かいてありました。
そうか、猟でとれるお肉かΣ(◎▽◎)と。
シカはどんな味なのだろう … と想像ちぅです(笑)
ウズラは以前ロブションで小さく調理されて出てきました。
すると、丸ごとでなくて、よかったかな … 。
このとき、やわらかくて、すきになったのですよ(。^ ^。)
ちかごろ山間部ではシカが大量発生していて、
なんとかしてスーパーなどで牛や鶏同様に販売できないか、
というプロジェクトが立ち上がっているみたいです。
新鮮でないとおいしくなさそうですね(=▽=)
by 詩音 (2009-11-14 07:50)
ワインを楽しめるプレートのお料理。
ゆったりと味わいたいです~。
by ぴーすけ君 (2009-11-14 09:44)
素晴らしい、ひと時でしたね、ジビエ料理食べたことありません。
by めもてる (2009-11-14 10:31)
美しい夜景とおいしいワインで楽しい会食でしたね。
ジビエ、という言葉ははじめてでした。
それにしてもお母様が食べた豚に油性マジックで数字というのには
びっくりしました。
そこらへんの配慮はあってもよかったのに・・・ですね。
by ランランラン太郎 (2009-11-14 11:02)
素敵な雰囲気のお店に美味しそうなお料理。お話も弾んだことでしょう。
美味しいものって、元気にさせてくれますね。私もストレス発散に美味しいものは欠かせません。単純ですが、それでいい!
by Bonheur (2009-11-14 19:34)
素晴らしい!!
ホント素敵なお店ですね(^^)
お料理もおいしそうだし、
まさにエレガントな夜でしたね(^^♪
by いとお (2009-11-14 23:48)
>もりけんさん
タイユバンですか、すごいですねぇ。
私は結局パリでは星を知らないままに帰ってきてしまいました。
日本のフレンチが一番おいしいと普段よく言っていますが、そのレベルまで行くとそんなことないんだろうなと思います。
by aia (2009-11-15 00:11)
>詩音さん
説明不足でごめんなさい。ジビエはシカやイノシシ、うずらなど野生の動物の肉で、基本的に禁猟解禁になる秋冬しか食卓にのぼりません。
つまりはあちらではいわゆる「旬」の食べ物なわけです。
ロブション行かれたことがあるんですか?うらやましいです。
by aia (2009-11-15 00:15)
>ぴーすけ君さん
そうです、こんなお店では食べ急いではいけませぬ(笑)。
私たちは結局4時間近くいたのではないでしょうか。師匠パワーです。
by aia (2009-11-15 00:17)
>めもてるさん
ジビエ、ぜひチャレンジしてみてください(ただし日本の、ちゃんとしたお店で)。おいしかったですよ。
by aia (2009-11-15 00:18)
>ランランラン太郎さん
またまた説明不足でごめんなさい。
素敵な夜でした。昼は昼でよい眺めだそうです。
母のマジック豚には笑ってしまいました。豚は家畜でジビエ動物ではないので、そういうところでワイルドさ(?)を出そうとしたのでしょうか…(笑)。
by aia (2009-11-15 00:38)
>Bonheurさん
おいしいものって本当に素敵ですよね(うっとり)。
元気をくれます。
by aia (2009-11-15 00:42)
>いとおさん
本当にオススメです。
東京でエレガントな夜を楽しみたいなら、ぜひ行ってみて下さい^^
by aia (2009-11-15 00:43)